末梢性顔面神経麻痺

病 因:Hunt症候群は、水痘帯状疱疹ウイルス(以下VZV)を病因として顔面神経麻痺、耳介帯状疱疹、難聴・めまいを発症する。Bell麻痺は約60%が単純疱疹ウイルス(HSV)であり、8〜29%はVZVで発症しても耳介帯状疱疹や難聴・めまいを欠く無帯状疱疹性ヘルペス(zoster sine herpete:以下ZSH)、残りの10〜30%は原因不明(EBウイルスやサイトメガロウイルス、ムンプスウイルスほか)。
診 断:Bell麻痺と診断されたうち、8〜29%はVZVによるZSHであり、Hunt症候群の約30%はBell麻痺と診断後、耳介帯状疱疹や難聴・めまいが発症している。VZVで発症する顔面神経麻痺の約半数は、Bell麻痺と診断されている。
治 療:末梢性顔面神経麻痺の7割は自然治癒と予後良好なるも、3割は不幸にも麻痺を残す。治癒率を上げ、不幸な結果を少しでも減らすために、村上は発症7日以内に麻痺の重症度40点法(柳原法)により、実践的治療を提唱し、良好な治療成績を報告している。(第116回日本耳鼻咽喉科学会,東京.2015)
Bell麻痺の実践的治療

(村上信五:ウイルス性顔面神経麻痺−病態と後遺症克服のための新たな治療−.日耳鼻2015;118:368-374より一部改変)

ステロイドは、初診時スコア22点以下の場合、プレドニゾロン60mgから開始して、3日目スコアをみて30mg、10mgと1〜2週間で漸減投与する。
抗ウイルス薬は、バラシクロビル3,000mgを3〜7日間投与する。
抗ウイルス薬の効果は発症3日以内、ステロイドの効果は発症7日以内。
治癒率は約90%。自然治癒が70%だから、20%の人を救うために治療が受けられる人には必要十分な治療を行います。
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