新型コロナウイルス対策で精神的にも疲れる

2月下旬以降予定されていた学会、会合はことごとく延期、中止となった。3月に入り感染は中国から欧州、アメリカに飛び火し、世界的パンデミックの様相となる。日本でも横浜港に停泊したクルーズ船と中国の春節で多くの観光客が入国した後、東京を中心に全国で集団感染や院内感染が散発されるようになってきた。それに伴い、当院でも院内感染対策として本棚の図書やパンフレットなど全て撤去した(図1)。

3月17日にはスタッフ全員で日本環境感染学会の対応ガイド、日本プライマリ・ケア連合学会の手引き、国立感染症研究所の感染管理などを教材にして標準予防策や個人防護具(PPE)といった感染症対策の基本を学んだ。3月24日東京オリンピック開催延期決定後、急激に感染者が増え続け、とくに東京は医療崩壊の危機で4月7日、7都府県に緊急事態宣言が発令された。この週、宇都宮市 本棚
図1 空っぽになった本棚
で感染者が倍増して10例 (栃木県内35例) となった。いよいよ当町にも不気味な感染症が足下に迫りつつあり、当院でもPPEの着脱手順、手指衛生や感染疑いの患者が受診した際の対応について協議した。院内に入る前にインターホンでその日の受診状況を確認するため、高機能のインターホンに新調した。
フェイスシールド 医薬品卸から消えたサージカルマスクをインターネットで高額で買ったり、手作りのフェイスシールドを準備したり (図2)、ホームセンターでアクリル板を買ってきて受付カウンターに防護板を設置したり (図3) と結構お金をかけた。
図2 手作りのフェイスシールド
アクリル板
図3 結束バンドで固定したアクリル板を突っ張り棒で受付窓口に設置した

近隣の企業の従業員や学校の先生、病院の医師など感染者が発生するたびに大きく報道され、感染者とその関係者に対する差別や偏見が懸念される。それと同時に、自宅等での健康観察を指示された方は、健康観察期間中の注意点を守り、コンビニやスーパーなどへ外出してはなりません。発熱または咳、たん、息苦しさ等で医療機関を受診する際には、保健所に連絡の上、受診を勧められた医療機関を受診してください。感染症を地域で蔓延させないよう配慮することが、事態を長引かせないためにいちばん大切です。

4月16日緊急事態宣言が全国に拡大され、来月ゴールデンウィーク明けまで不用不急の外出自粛でゴルフも行きづらくなった。今月、前期高齢者の仲間入りするが、残念ながら家族全員集合することは叶わなかった。先が見えず不安だが、早く収束することを願って今は頑張って Stay at home 。

4月19日時点で国内の感染者数 10,361 (前日比+566)、死者数161 (前日比+7)。栃木県内の感染者数 46、死者数0。

2020年4月20日


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