急性・慢性副鼻腔炎の定義と診断・治療

定 義急性副鼻腔炎は、鼻閉、鼻漏、後鼻漏、頭痛、顔面痛、咳などが急性に発症し、罹病期間が4週以内のものと定義されている。
慢性副鼻腔炎は、鼻腔・副鼻腔 (上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形洞)において少なくとも8週ないし12週以上継続する慢性炎症疾患と定義されている。
診 断十分な問診(症状、罹病期間、発症のきっかけ)が診断に重要である。診断で最も大切なのは、鼻副鼻腔内視鏡検査による鼻腔内の観察で鼻内所見を評価した後、画像診断 (副鼻腔X線単純撮影、必要に応じて副鼻腔単純CT撮影もしくはMRI) で洞内の状態を把握する。
治 療内視鏡鼻副鼻腔手術 (ESS) とマクロライド少量長期投与でかなり治療成績が向上してきた。
2000年頃から成人発症で、嗅覚障害を伴い、両側に鼻茸があり、篩骨洞優位の治療抵抗性で易再発性の難治性副鼻腔炎が増加してきた。末梢血好酸球増多、摘出鼻茸の好酸球浸潤が認められ、好酸球性副鼻腔炎と命名された。気管支喘息やアスピリン不耐症の合併もあり、その概念、診断基準を明確にするため、多施設共同大規模疫学研究 (Japanese Epidemiological Survey of Refractory Eosiophilic Chronic Rhinosinusitis Study:JESREC Study) が行われた。

好酸球性副鼻腔炎診断基準項目

表 好酸球性副鼻腔炎診断基準項目 (JESREC Study)
好酸球性副鼻腔炎診断基準
スコアの合計:11点以上を好酸球性副鼻腔炎とする.
確定診断は、鼻茸組織中好酸球数(400倍視野):70個以上

好酸球性副鼻腔炎の重症度分類

慢性副鼻腔炎の診断・分類アルゴリズム
spacer_gif 慢性副鼻腔炎の診断・分類アルゴリズム
臨床スコア11点未満もしくは以上で、非好酸球性副鼻腔炎か好酸球性副鼻腔炎かに分類し、因子Aと因子Bにおける項目の陽性数で軽症、中等症、重症に分ける。

(藤枝重治,他:好酸球性副鼻腔炎:診断ガイドライン(JESREC Study).日耳鼻 118:728-735,2015より引用)

好酸球性副鼻腔炎の治療

非好酸球性副鼻腔炎、軽症好酸球性副鼻腔炎は従来通り内視鏡鼻副鼻腔手術 (ESS) とマクロライド少量長期投与で良い。中等度以上の好酸球性副鼻腔炎には、経口ステロイドしか有効な治療法がないのが現状で、早急に新たな治療戦略が待たれます。

2001年に本疾患概念を提唱、「好酸球性副鼻腔炎」と命名し、圧倒的な手術経験を有する 獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科 教授、春名眞一先生の外来を紹介させていただいております。


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