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より抜粋、一部改変 |
定 義 | : | 気道の慢性炎症を本態とし、変動性を持った気道狭窄による喘鳴、呼吸困難、胸苦しさや咳などの臨床症状で特徴付けられる疾患 |
図1 喘息の概念
喘息の診断は表1に示すように、@発作性の呼吸困難、喘鳴、胸苦しさ、咳などの症状の反復、A変動性・可逆性の気流制限、B気道過敏性の亢進、C気道炎症の存在、Dアトピー素因の有無、E他疾患の除外 (表2) を目安としておこないます。
表1 喘息診断の目安
表2 喘息と鑑別すべき他疾患
図2に喘息診断のアルゴリズムを示します。
図2 喘息診断のアルゴリズム
喘息重症度の評価は症状を基本とするが、PEF値、FEV1などの呼吸機能は客観的把握に有用です。未治療の喘息あるいは標準的な維持療法が未導入の喘息の重症度は4段階に分類されます (表3)。
表3 未治療の喘息の臨床所見による重症度分類 (成人)
重症度 | 軽症間欠型 | 軽症持続型 | 中等症持続型 | 重症持続型 | |
喘息症状の 特徴 | 頻度 | 週1回未満 | 週1回以上だが 毎日ではない | 毎日 | 毎日 |
強度 | 症状は 軽度で短い | 月1回以上日常 生活や睡眠が妨 げられる | 週1回以上日常生 活や睡眠が妨げら れる | 日常生活に 制限 | |
しばしば増悪 | しばしば増悪 | ||||
夜間症状 | 月に2回未満 | 月に2回以上 | 週1回以上 | しばしば | |
PEF FEV1 | %FEV1 %PEF | 80%以上 | 80%以上 | 60%以上80%未満 | 60%未満 |
変動 | 20%未満 | 20〜30% | 30%を超える | 30%を超える |
なお、小児では重症度判定が設けられています。各重症度に応じて治療ステップ1から治療ステップ4
までの内容による治療が推奨されます。
すべての喘息治療のステップにおいて長期管理中に急性増悪 (発作) が生じた場合には、原則として SABA の頓用で対処する。
表4 喘息治療ステップ
ICS:吸入ステロイド薬、LABA:長時間作用性β2刺激薬、LAMA:長時間作用性抗コリン薬、
LTRA:ロイコトリエン受容体拮抗薬、SABA:短時間作用性β2刺激薬
(『喘息予防・管理ガイドライン2021』より引用、一部改変)
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