口腔カンジダ症 |
口腔カンジダ症は、おもにカンジダ・アルビカンスという真菌(しんきん:かび)によっておこる口腔感染症です。
急性型と慢性型があります。カンジダ菌は口腔内の常在菌の一種で、普段はある程度以上は菌数が増えないように他の菌と共存しています。しかし、副腎皮質ステロイド薬の投与や糖尿病、全身衰弱などによって免疫力が低下している状態、唾液量の減少、長期間にわたる抗菌薬の服用などにより、常在菌間のバランスが崩れ、カンジダ菌が異常に増殖し、病原性を発揮することにより発症します。
(口腔外科相談室、日本口腔外科学会より引用)
ケース:60歳代女性 | |
X年6月下旬、口腔内が白く、頬の内側からのどにかけてザラザラした感じを主訴に初診。両側頬部粘膜に厚い白苔あり (図1)。口腔真菌症を疑い、頬粘膜白苔の擦過物を真菌培養検査した。抗真菌薬と精製水の含嗽水を処方し、毎食後と就寝前の一日4回含嗽を指示した。 | |
図1 口腔内右頬部所見 (初診時) | 図2 口腔内右頬部所見 (再診時) |
5日後 (X年7月上旬) 再診時、口腔内所見は改善していた (図2)。 | |
comment: | 本ケースは関節リウマチで免疫抑制薬を、非結核性抗酸菌症で長期間抗菌薬を服用していた。真菌培養の結果はカンジダ・アルビカンスでした。 |
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