スギ花粉症は、国民の4人に1人が罹患していると言われています。とくに栃木県は40%と全国平均よりも15%も上回っており、山梨県、埼玉県とともに全国1,2位を競っています。スギ花粉飛散期には、くしゃみ、鼻水、鼻閉といった鼻症状や眼の痒み、涙目といった眼症状だけでなく、生活の質 (QOL) や労働生産性を著しく低下させることが知られています。
スギ花粉症の治療としては、アレルゲンの除去・回避、薬物療法、手術療法およびアレルゲン免疫療法があります。なかでもアレルゲン免疫療法は、薬物療法等の対症療法とは異なり、アレルギー疾患の自然経過を改善し、長期寛解と治癒が期待できます。
1969年、スギ花粉症に対する皮下投与によるアレルゲン免疫療法 (皮下免疫療法) が始まるも、主にアレルギー専門施設のみで行われていました。2014年からは皮下免疫療法より安全で簡便な舌下投与によるアレルゲン免疫療法 (スギ花粉舌下液シダトレン®) が開始されました。また、2018年からはより高力価で利便性が向上した錠剤タイプの舌下免疫療法薬 (シダキュア®)が登場しています。
○ | 毎年春先に眼・鼻症状がひどく、日常生活に著しい支障を来たす |
○ | アレルギー検査の結果、スギが主でホコリ・イヌ・ネコその他のアレルギーはそれほど強くない |
○ | 現在重篤な疾患で治療中ではない健康な方 |
○ | 舌下に保持できる小児(5歳以上)、成人(65歳未満)で最初の1年間は2週毎通院できる。3年間は継続して通院治療できる |
上記4つの条件を満たし、かつスギ花粉非飛散期 (オフシーズン) ならいつでも治療開始できます。
1. | スケジュール |
まず、問診と診察の後、皮膚反応テストまたは特異的IgE抗体検査をして、スギ花粉が原因アレルゲンであることを確かめます。 | |
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[初回投与時の注意] | |
※スギ花粉非飛散期に行います (スギ花粉飛散期はスギ花粉アレルゲンに対する患者の過敏性が高まっている場合が多いため) 。 | |
※医師の監督のもと、投与後少なくとも30分間は安静な状態を保ち、十分な観察を行います。 |
2. | 服用方法 | |
通常、投与開始後1週間は、シダキュア®スギ花粉舌下錠2,000JAUを1日1回1錠、投与2週目以降は、シダキュア®スギ花粉舌下錠5,000JAUを1日1回1錠、舌下にて1分間保持した後、飲み込む。その後5分間は、うがい・飲食を控える。 |
副作用 | |
○ | 主な副作用 口内むくみ、のど刺激感、耳・口内かゆみ、口内・のど不快感等 |
○ | 重大な副作用 ショック、アナフィラキシー |