アレルギー性結膜炎の診断・治療

上眼瞼結膜から採取した眼脂や眼分泌液からの塗沫標本を染色し、光学顕微鏡観察で好酸球検出されれば、アレルギー性の確率は高い。最近では、涙液総IgE検査が用いられ始めています。

初期療法に抗アレルギー点眼薬を

抗アレルギー点眼薬は全身への移行が少ないため、内服薬に比べ眠気などの副作用を気にせず使える利点があります。最近では、抗ヒスタミン作用とメディエータ遊離抑制作用を併せ持つ点眼薬が増えています(下表)。

薬剤名(一般名)商品名点眼回数抗ヒスタミン
作用
PH
メディエータ
遊離抑制薬
クロモグリク酸ナトリウムインタール1日4回4.0〜7.0
アンレキサノクスエリックス1日4回6.8〜7.8
ペミロラストカリウムアレギサール
ペミラストン
1日4回7.5〜8.5
トラニラストリザベン
トラメラスト
1日4回7.0〜8.0
イブジラストケタス
アイビナール
1日4回5.5〜7.0
アシタザノラスト水和物ゼペリン1日4回4.5〜6.0
ヒスタミンH1
拮抗薬
ケトチフェンフマル酸塩ザジテン1日4回4.8〜5.8
レボカバスチン塩酸塩リボスチン1日4回6.0〜8.0
オロパタジン塩酸塩パタノール1日4回約7.0
エピナスチン塩酸塩アレジオン1日4回6.7〜7.3

スギ花粉の飛散ピーク時、抗アレルギー点眼薬のみで治療効果が不十分ならステロイド点眼薬を併用します。この際、眼圧上昇、眼感染症の悪化等の副作用が心配です。眼科専門医による定期的な眼圧チェックを受けましょう。

アレルギー性結膜炎のセルフケア

コンタクトレンズ装用者では、アレルギー性結膜炎の症状があるときは装用を中止し、治療を優先しましょう。

眼表面のアレルゲンを洗い流し、眼脂中の好酸球やその顆粒蛋白を除去するため、防腐剤無添加の人工涙液で頻回に洗眼してみましょう。使い切りタイプの人工涙液を冷蔵庫で冷やして点眼するのがお薦めです。

コンタクトレンズ装用前後に抗アレルギー点眼薬を点眼し、コンタクトレンズ装用時には防腐剤無添加人工涙液をレンズの上から点眼します。外出時には市販のゴーグル型眼鏡も有用です。 花粉ゴーグル

(参考:アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン)

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