正常に声を出す (発声する) ためには、横隔膜を含めた呼吸器官をはじめとして喉頭や咽頭、口腔、鼻腔などの附属管腔とそれについている諸筋、神経が正常でなければならない。鼻声、声嗄れなど声の異常 (音声障害) や飲み込む際に鼻へ逆流する、飲み込みにくさ (嚥下障害) がある時は、鼻腔・口腔・咽頭・喉頭の診察、内視鏡検査と、場合によっては頭部や頸・胸・腹部の画像 (X線・CT・MRI等) 診断を要することもあります。
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音声障害のある方は、以下の”声の衛生”を心がけてください |
- 急性の炎症と言われた時は、3〜4日発声を控える (沈黙療法)
- 少し声が出るようになっても、3〜4週は無理な発声 (のど詰め発声、不自然な高さの声) を避ける
- 長時間話をしない
- 早口で話さない
- 部屋の加湿、適度な水分補給を心がける
- アルコール、たばこの煙は、のどによくない
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医師の指示でTまたはUどちらかの音声訓練をやってみてください |
T.のど (声帯) の緊張が強い人 | U.のど (声帯) の緊張が弱い人 |
- あくびやため息をする時のように息を吐き出しながら発声する
- クチャクチャ噛みながら発声する
- ハ行の発声で緊張をとる
- 舌先を突き出して発声する。ハミングで鼻歌を歌う
- チューブ (長さ約25cm,太さ約1cm) をくわえて5〜10秒発声する
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- イスを持ち上げたり、壁を押したり、両手を胸の前で強く引っ張りながら発声する
- 息をこらえた状態から「オー」などの母音を短く発声し、次第に長く発声する
- 安定して声を出せるよう、呼吸訓練 (腹式呼吸) して声を強くする
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参考1) | 廣瀬 肇:音声障害の治療.インテルナ出版.1998. |
2) | 廣瀬 肇 (監修):STのための音声障害診療マニュアル.インテルナ出版.2008. |