今秋10月で開院20年目を迎える。思えば地域住民の健康管理、町の乳幼児・学校健診、医師会活動と、いくらかでもお役に立てたかどうか。勤務医時代も含め、35年も毎日同じことのくり返し。否が応でも専門化してくる。何の専門かといえば“プライマリ・ケア”の専門家である。プライマリ・ケアとは簡単に言うと「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」となる。20年前は病気しか診ていなかったが、いまは “病気を診ずして病人を診る” ようになっていると思う。
獨協医科大学越谷病院長 岩月賢一先生(東北大学・獨協医科大学名誉教授 平成25年没)が病院職員に贈った「和顔愛語」という言葉がある。これは仏教用語で、おだやかな笑顔と思いやりのある話し方で人に接すること。これを心掛けて仕事をしている。
20年後は80歳。今までの20年とこれからの20年では、やることは同じでも、内容は必然的に変わらざるを得ない。あと何年診療できるかわからないが、常に「心・技・体」充実させてできるだけ永くこの地域の医師として生活し、これからも地域の人の役に立ちたいと思っている。
2015年9月