耳寄りな話−小さなシグナルを見逃すな−

子どもの難聴は、カゼをひいた時の中耳炎がほとんどですが、ごく稀に『心因性難聴』があります。これは聴こえ難いといって来院し、検査をすると聴こえ難い原因がないのに聴こえが悪い結果が出ます。その割には大きな声を出さなくても普通に会話ができ、特殊な聴力検査で心因性難聴とわかります。家庭内で家人との関係、学校内では友人や先生との関わりが原因となっていることがほとんどです。

また、耳痛も中耳炎や外耳炎、顎関節症、逆流性食道炎などの原因で起こりますが、ごく稀に“心の痛み”が耳痛として表現されることがあります。たとえば、父親が単身赴任で、母親が不安だと、それを察知して子どもまで不安になるのです。これら心理的要因がもとになった身体症状を『身体表現性障害』といい、けっして仮病などではありません。

カウンセリング

私たち大人は、子どもが発する小さなシグナルを見逃さないよう、常にアンテナを張って“心の叫び”に耳を傾けなければなりません。


(平成18年12月阿小の友)


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