散歩の達人

哲学者カント(1724-1804)は散歩を日課として規則正しい生活をしていたといわれている。長生きしている人を見ていると、毎日歩いて早く寝ている。即ち健康的な生活をしている人ということになる。夜遅くまで飲んでいる人で長生きしている人をあまり見ない。

私は令和4年11月、新型コロナウイルスに感染して一週間休診した以外は、生来健康で大過なく過ごしてきた。40歳で開業してから犬 (ゴールデンレトリバーの親子) を飼っていた。

犬散歩

約15年間、雨天以外は毎日朝晩散歩していた。2頭を見送った後、半年も経たないうちに知人に勧められて今度はトイプードルを2匹飼い始めた。室内犬のストレス発散と自らの健康のために、約10年間今も毎日欠かさず朝晩季節を感じながら散歩を続けている。たぶん我が家の小犬たちは、よそのトイプーよりも長生きするのではと思っている。事実、我が家のヘルスメーターで体重を測ると(犬ではなく私の)、体年齢が実年齢よりも10歳若く表示される。

私ぐらいの"散歩の達人"になると、歩いていて体調と会話している。たぶん地面から足裏に伝わる刺激で何らかの伝達物質が脳に送られて、その日の体調 (血圧、血糖、脂質ほか) を調整・維持しているのではないかと思っている。また、寝ている間に何らかの物質が脳や胸腺、消化管などから分泌され、その日にできた体細胞の劣化や遺伝子の傷を修復したり、癌化した細胞をマクロファージが貪食して発がんを防いでいると何かで聞いたことがある。さらに、認知症の原因物質アミロイドβは睡眠中に脳から血中に排泄され、肝で無毒化されているという。もしそれが本当であれば、今夜も早く寝ないと。

2024年6月8日

               
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