昭和30年以前に生まれた人の70%は胃にピロリ菌が棲んでいます。ピロリ菌は口臭、慢性胃炎、胃潰瘍や胃がんの原因となります。ピロリ菌と塩分の多い漬物は胃がん発生の危険が高くなります。一度、検査してピロリ菌が陽性だったら、将来の胃がん発生を予防するために除菌しておきましょう。
検査は?
辛い内視鏡検査をしなくても、血液や尿中の抗体を調べれば、ピロリ菌の有無がわかります。不快な胃症状がある場合は、胃炎や潰瘍、がんがないかどうか内視鏡検査を受けましょう。
除菌治療は?
抗菌薬2種と胃薬を1週間飲むだけです。この間はお酒を控えます。1週間お薬を飲んだら、その4週間後に尿素呼気試験でピロリ菌が胃から消えているかどうかがわかります。
一度の治療で70%が除菌に成功します。運悪く除菌できなかった時は、抗菌薬を変更して二次治療します。これで90%近く除菌できます。この二次治療を合わせて、全体で97%が除菌に成功しています。
くり返す胃・十二指腸潰瘍があれば、これらの検査・治療は保険診療ができますが、潰瘍がなければ自費となります。
塩分とアルコールは適量に抑え、タバコは吸わない。ストレスをためない生活を心掛ければ、胃がんだけでなく脳卒中や心筋梗塞の予防にもなります。ぜひ生活習慣を見直して、健康な毎日を過ごしましょう。
※因みに私は1週間ビールを我慢して薬を内服後、除菌判定待ちです
(2009年11月越井クリニックHPごあいさつ)
除菌薬内服1か月後、尿素呼気試験と尿中ヘリコバクター・ピロリ抗体を再検査したところ、陰性化しておらず除菌失敗したかとガッカリしていました。
6ヵ月後、抗菌薬を増量するか変更して再除菌をと考えて再検査したところ陰性化しており、再度内服治療せずに済みました。そういえば最近、胃がスッキリして食欲があり、口臭も気にならなくなったような気がします。
以上、報告まで。
(2010年9月)
ヘリコバクター・ピロリ除菌療法の保険適用が2010年6月に胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃がんに対する内視鏡的治療後胃へと対象疾患が拡大しました。
2013年2月からは、内視鏡検査の結果で胃炎と診断された患者に対して感染診断・治療が保険適用となりました。
(2013年4月)